【Webのプロほど陥る罠】スキルより大切なもの

こんにちは、杉崎(@web_norcs)です。

Webコンサルというと、SEO、SNS運用、広告最適化、サイト制作…といったキラキラしたWebスキルが注目されがちです。

もちろん、それらのスキルは重要です。

しかし、独立して5年間現場で多くのお客さんと向き合ってきた中で、痛感していることがあります。

それは、どんなに高度なWebスキルを持っていても、それだけではお客さんを本当の意味で成功に導くことはできない、ということ。

本当の意味での成功というのは、お客さんの本当の課題を解決してこそ、ですよね。

つまりいかにして、潜在的なニーズを引き出すのかが重要になってくる。ここで最も重要になってくるのが『聞く力』なんです。

今回は、お客さんとの信頼関係を重視するWebコンサルタントにとって、なぜ『聞く力』がWebスキル以上に大切なのか?

そして、どうすればお客様の心の奥底にあるニーズを引き出すことができるのか、僕の経験も踏まえながらお話ししたいと思います。

なぜ聞く力がWebスキルより
大切なのか?

お客さんは、最初から自分の課題や要望を明確に言語化できているわけではありません。

「ホームページをリニューアルしたい」「SNSで集客したい」といった表面的な言葉の裏には、もっと根源的な悩みや願望が隠れていることがほとんど。

例えば、ホームページをリニューアルしたいという要望の裏には、

  • 会社の魅力が伝わらず、採用に苦労している
  • 競合に比べて古臭いイメージを持たれているのが悔しい
  • もっと地域の人に自分たちの想いを知ってほしい

といった、様々な背景や感情が隠れていたりします。

表面的な要望だけに応えて、ただ綺麗なホームページを作っても、お客さんが本当に解決したかった課題が解決されなければ、真の満足は得られません。

それどころか、高いお金を払ったのに、何も変わらなかったと、かえって不信感を招くことだってある。

特に、僕が活動しているような田舎の地域ビジネスにおいては、効率やスピードだけではない、人と人との繋がりや信頼関係が何よりも重視されます。

その信頼関係は、「この人は、自分のことを本当に理解してくれている」「私たちの想いに寄り添ってくれている」という実感から生まれます。

そして、その実感を生み出す第一歩が、相手の話に深く耳を傾け、言葉にならない想いまで汲み取ろうとする”聞く力”なんです。

潜在ニーズを引き出すヒアリング術

では、どうすればお客さんの潜在ニーズを引き出すことができるか?

僕はヒアリングを以下の3つのステップで捉えています。

これは単なる情報収集ではなく、お客様の心を動かし、共に未来を創っていくためのプロセスです。

ステップ1:安心できる「場」を作る(信頼関係の土台)

まず最も大切なのは、お客さんが安心して本音を話せる雰囲気を作ることです。

特に初対面の場合、いきなりビジネスの話に入るのではなく、まずは相手に興味を持ち、リラックスしてもらうことが重要。

訪問先でのちょっとした雑談や世間話が、心の距離を縮めたりしますから。

相手の趣味の話、地域のお祭りの話、家族の話…。そうした会話の中から、相手の人となりや価値観が見えてくることも少なくありません。

そして、話を聞く際は、決して相手の話を遮らず、急かさず、「あなたの話をもっと聞きたい」という姿勢を全身で示すこと。

相槌や頷き、時折内容を要約して確認するなど、共感的な態度で耳を傾けることで、お客さんは「この人になら話しても大丈夫そうだ」と感じてくれます。

ステップ2:言葉の奥を探る(問いかけによる深掘り)

安心できる場ができたら、次はお客さんの言葉の奥にあるものを探っていきます。

ここで意識したいのが、人の心を動かす流れです。

  1. お客さんが「本当に実現したい未来」は何か?(理想、夢、目標)

  2. それを阻む「見えない壁」は何か?(不安、懸念、課題意識)

  3. その壁を乗り越えるための「道筋」は何か?(解決策、可能性)

を、対話を通じて明らかにしていくわけです。

重要なのは、こちらから質問攻めにするのではなく、問いかけによってお客さん自身の内省を促すことです。

  • なぜ、ホームページをリニューアルしたいと思われたのですか?
  • その背景には、どのような課題があるんですか?
  • もし、その課題が解決されたら、会社はどのようになりますか?
  • その理想を実現する上で、何が一番の障壁になっていると感じますか?

こうした問いかけを重ねることで、お客さん自身も気づいていなかった課題の本質や、心の奥底にある願望が、少しずつ明らかになっていきます。

ステップ3:お客さん自身に気づきを促す

優れたヒアリングは、コンサルタントが一方的に答えを提示するものではないんですね。

対話を通じて、お客様自身が「あ、そうか!」「これが本当の課題だったんだ」「こうすればいいのかもしれない」と気づきを得られるように導くことが理想です。

そのためには、過去の課題や現状分析だけでなく、未来に目を向けた問いかけも有効です。

・もし、理想のターゲット顧客から『ぜひお願いしたい』と言われるとしたら、どんな情報発信が必要だと思いますか?
・Webを使って、お客様との関係性をどのように深めていきたいですか?

こうした問いを通じて、お客さんの中に眠っているアイデアや情熱を引き出し、共に解決策を創り上げていく。

マーケティングが単なる売る技術ではなく「人間理解の技術」であるように、ヒアリングもまたお客さんという、人間を深く理解するための技術なんです。

聞く力こそ、信頼を築く最強の武器

Webコンサルタントとして成功するために、Webスキルはもちろん必要です。

しかし、それ以上に大切なのは、お客様一人ひとりの心に寄り添い、その声なき声に耳を傾ける『聞く力』です。

『聞く力』は、単なるテクニックではなく相手を深く理解しようとする姿勢そのものです。

そして、その姿勢こそが、お客さんとの揺るぎない信頼関係を築きWebスキルという「道具」を最大限に活かすための土台になる。

お客様とじっくり向き合うスタイルのWebコンサルタントを目指すのであれば、まずこの『聞く力』を徹底的に磨くことをお勧めします。

 

杉崎能久

発信を仕事や集客につなげたいフリーランス・起業家をサポートしてます。 価値観を言語化し、お客さんから選ばれる発信に育てるのが得意です。 人口5,000人の町に移住して独立5年目。地方議員もやってます。

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